京の建具師

京都の匠ならではの雅な線を表現する

『京都の建具』

都で発達した茶の湯の文化にかかせない数寄屋建築。

その数寄屋建築の、戸板・障子・襖。また神社仏閣など書院づくりの、遣戸(やりど)また舞良戸(まいらど)などの板戸や明障子(あかりしょうじ)。

京建具と呼ばれる京都の職人が造る建具は、全国でも高い評価をえている。

その中でも、茶の湯の文化の中で育った数寄屋建築の茶室の様々な建具は、その存在が出しゃばることもなく、極めて普通の佇まいをみせている。亭主が趣向をこらしてお客様をお迎えする茶室では建具は目立たず普通の存在でなければならない。装飾が目立ってしまえば、亭主のしつらえた道具や趣向の邪魔になってしまうからである。

しかし、数寄屋建築では「繊細」なおかつ「精密」な建具でなければ、その雅な様相を現すことはできない。

京都の建具師は木を知り、その特性を生かし、手間暇かけて繊細で精密な建具を制作する。数寄屋建築の建具にはより正確な寸法も求められる。